どうも皆さんこんにちは。声優のA&Oです。
今回の記事は、声優を目指したことのある人なら一度は聞いたことのある
その外郎売を使った、効果的な練習法をご紹介いいたします。
特に、まだ養成所や専門学校に入っていなく、これから入ろうと思っている方にとっては、非常に役に立つものなので是非実践してみてください。
↓こちらの記事では外郎売覚えるのに役立つYouTube動画を紹介しています。
そもそも外郎売とは?
Wikipediaによると
元々、歌舞伎の演目に使われた口上の一つで、現代ではアナウンサーや声優、役者の発声や滑舌の練習に使われている
というものです。
専門学校や養成所に入ると、まず最初に外郎売の暗唱をやります。
これは99%やります。
「うちは外郎売なんてやらないよ」
みたいなところは、聞いたことありません。(多分)
総文字数が2300字程で、普通に読めばちょうど5分くらいで読めるので、暗唱してしまえばどこでも練習できてしまう使い勝手の良さから、どの団体でも採用されているのだと思います。
教える人によって読み方や切り方が違う
YouTubeやGoogleで外郎売と調べると、ちょいちょい人によって読み方が違ったりするのですが、これには理由があります。
最初の外郎売が世に出たのが1700年代なので、300年も経つと様々な派生や流派が生まれてきているからです。
ただし、基本的なところはどこも一緒なので、一旦暗唱できるまで覚えておいて、入った養成所や専門学校の講師の方針に従って、少し変えるようにすれば問題ないです。
私の養成所時代では、初心者、独学、専門、別の養成所、演劇、の人ごとにバラバラで、統一するのに苦労した覚えがあります。(笑)
外郎売の暗記の仕方
外郎売を使って練習する前にまず必要なのが暗記です。
小中学校の頃に、国語の授業で古文(じゅげむじゅげむ的な)を暗記した覚えがある方もいると思いますが、あれよりも遥かに長いです。
ちなみに私は完璧に暗唱できるようになるまで2ヶ月かかりました。
ただ、本気で取り組めば、おそらく1ヶ月ほどで暗唱できるようになるので是非頑張りましょう。
ここでは外郎売暗唱のポイントをお伝えします。
- 文字ではなく、必ず口に出して覚える
- 一度に全て覚えようとするのではなく、前半から刻んで覚えていく
- YouTubeの外郎売音声を聞く
- YouTubeの外郎売音声を聞きながら合わせて暗唱する
- 家や移動中、入浴や準備中など、周囲の迷惑にならない範囲でどこでも口を動かす
オススメの外郎売動画は→外郎売を覚えるのに役立つ【YouTube動画8選】
こんな感じですね。
できるだけ短期で集中して取り組んだほうが覚えやすいです。
特に重要なのは、全部いっぺんに覚えようとするのではなく、前の方から刻んで完璧にしていってください。
なぜなら、完璧に暗唱できるところが少しでもあれば、それを使って早めに練習をできるからです。
特に初心者の方は、初心者なのに外郎売がそこそこできると、講師の方から若干心象が良くなります。
「お、こいつやる気あるな」
みたいな感じです。
初心者の方は、経験者よりも初期の段階では若干不利なので、こういう小さなところでポイントを積み重ねていきましょう。
YouTubeを効率良く使う
電車での移動の時などは、YouTubeで音声を流し、マスクの中で口だけ動かす、という練習法が非常に効果的です。
ありがたいことに、YouTube上にはプロの声優さんやアナウンサーの方が外郎売をアップしているので、是非利用していきましょう。
私もよく使わせていただきました。感謝。
外郎売を使った効果的な練習法
では今回の記事のキモですね。
外郎売を使って日々の練習をどうやっていくのか。
これは声優志望者だけではなく、プロの声優さんや舞台俳優さん、講師の方もやっている方法です。
朝起きて色々準備しながら外郎売3回
これは特に忙しい声優さんがやっている手法です。
外郎売は、発声、滑舌、顔の筋肉、と満遍なく使えます。
そして5分という短さからスキマ時間で使えるので、プロの方は
「朝起きたらとりあえず外郎売3回、口の準備運動がてら、喉の調子を確かめるためにやる」
という方は非常に多いです。
滑舌、発声練習にも使える
よく役者さんが
「あえいうえおあお、かけきくけこかこ、させしす・・・」
的なことをやっていると思いますが、あれでも全く問題ないです。(むしろ稽古場でみんなでやるときはこれのほうが良い)
ただ、自主練習であれをやるとなると、ぶっちゃけつまらないですし、段々とやらなくなってきます。
人間は堕落していく生き物なので、漫然とあれをやり続けるのは相当きついです。
なのでここで使えるのが外郎売です。
暗唱できるようになってしまえば、より文章に近いので、漫然と発声練習をするよりは面白みがあり、継続することができます。
アレンジの多彩さ
例えば
「今日は喉の立ち上がりが悪いから発声を重点的にやりたい時」
などは、ペースをゆっくりにして大きな声で読んでいく、というように使い分けができます。
反対に滑舌メインでやりたいときは、早めのペースで一語一語しっかりと通して読んでみる、ということもできます。
更に面白みをもたせると、外郎売を4分割した時に
- 最初は自分の普通の声
- 次は低めの声で
- その次は自分の限界高い声
- 最後はとにかく喉を開いたオペラ歌手のような声で
というように一回5分の外郎売で4パターンの練習を行うことができます。
アニメのアフレコでアニメのキャラの練習をしたいときなどでも、そのキャラの声で外郎売を読んでみるなど、アレンジの仕方は無限大です。
声優界の【帝王】森川智之さんも外郎売を重要視している
こちらの動画の9:08で森川さんが外郎売を使って、野原ひろし、トム・クルーズで外郎売をやっていますね。
こんな感じでキャラクターの練習に使うのも効果的です。
余談ですが、森川さんが講師を務めるアクセルゼロでは、外郎売を非常に重要視しています。
以前にはテレビの取材などでも、養成所生に外郎売の授業で厳しく指導されていました。
アクセルゼロの公式HPはコチラ
【中級編】外郎売の使い方
外郎売を暗唱できるようになり、基本的にできるようになった方には次のステップがあります。
それは、苦手な行の言葉で外郎売を読む、というやり方です。
どういうこっちゃ?って感じだと思うので詳しく説明します。
「あかさたなはまやらわ」の行の中で人によっては、苦手な行というものが存在します。
結構多いのが、さ行、た行、は行、ま行、ら行、ここらへんですね。
- さ行は、歯並びや舌の長短で空気が抜けにくく、上手く発音できない人がいます。
- た行は、舌の使い方が大切なので、舌っ足らずになってしまう人がいます。
- は行は、発声ができていないと聞こえづらい人がいます。
- ま行は、唇が必ず一度閉じるので、口周りが鍛えられていないとま行が出ないことがあります。
- ら行は、舌の筋肉を鍛えていないと滑った滑舌になってしまいます。
大体上手く発音できない、早口ができない人の理由はここらへんです。
この課題を解決するために、外郎売が使えます。
それが、自分の苦手な行の言葉で外郎売を読んでみる、ということです。
例えばさ行が苦手な人の場合
普通の外郎売
せっしゃおやかたともうすは、おたちあいのうちにごぞんじのおかたもござりましょうが、おえどをたってにじゅうりかみがた・・・
『さ行』アレンジver
せっしゃそさささそそすすさ、そさしさしそすししそそんしそそささそそさしさしょすさ、そせそそさっせししゅすしさしささ・・・
こんな感じで、同じ母音の音をさ行に変換して読んでみる、というやり方です。
これがめっちゃ効きます!!
私は生まれつき舌が短かったので、た行&ら行が苦手だったのですが、この方法でだいぶ改善でき、同時に舌を鍛えることにも繋がるので他の言葉の発音も非常に良くなりました。
外郎売を習慣化することが声優になるための第一歩
こんな感じで日々、外郎売を生活のなかに取り込んでいくことで、習慣化させていきましょう。
第一線で活躍する声優さんは皆さん何かしらの自分だけの練習法を持っています。
プロの声優を目指す上で、ほぼ全ての人が通らなければならないのが外郎売です。
その外郎売を負担に思わず、逆に利用して習慣化することは、必ずや自分の利益になっていきます。
とりあえずまずは外郎売を調べて、声に出すところから始めてみましょう!!
まとめ
というわけで、外郎売の使い方でした。
もし少しでも、皆様の参考になったのなら幸いです。
私が養成所に入る前は
「どうせ外郎売やるんだろうな」
という漠然とした前情報はありましたが、まさか全部暗唱させられる羽目になるとは思ってもいませんでした。(笑)
しかし、その鍛錬が今でも自分の身になっていることを考えると、まだ養成所にも専門学校にも行っていない段階で早めに外郎売に取り組んでおくことは、本当に良いことだと思います。
もしこれを読んでいる方で、声優を目指している方がいましたら、とりあえずまずは外郎売からやってみましょう。
Googleで調べて、YouTubeでプロの方の外郎売を聞き、自分でやってみる。
それだけで、何もしないで入学を待っているライバルたちに大きな差をつけることができます。
それでも、やはり初心者が1人でやり続けるのは限界があるので、もし本気で声優を目指すのなら、早めに何かしらの育成機関に入ったほうが良いとは思います。
ただ、養成所や専門学校は入学時期が4月や9月なのでなかなか難しいところはあります。
そんな方は、それまでの繋ぎ(ちょっと言い方は悪いですが・・・)として
【アバロンミュージックスクール】やココナラなどスポットや月額制で使えるサービスを使って、入学するまでに鍛え始めるのも一つの手だとは思います。
気になった方は是非調べてみてください。
こんな感じでこのブログでは
【声優を目指す全ての人】
へ向けて情報を発信しています。
是非他の記事も見ていただけると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。