体験談

【実体験】声優オーディション詐欺の実態

どうも皆さんこんにちは。声優のA&Oです。

今回の記事は、私が実際に遭遇した

 

声優オーディションの詐欺まがいの話

 

です。

 

毎年1月〜3月にかけては、声優を目指す人達が、養成所や専門学校の入試を受ける時期になります。

それと同時にオーディションが開催されることも多くなってきます。

しかしそれに乗じて、声優になることを夢見る若者に対して、詐欺が行われることがあります。

しかも結構あります。

 

実は私も、そんな声優オーディション詐欺に遭遇した人間の1人です。

どんな詐欺に遭遇したのか、実体験をもとに書かせていただきますので、これを読んだ皆さんはこの記事を参考に、そんな詐欺に騙されないように注意してください。

 

詐欺の実体験の概要

とりあえずまずは、私の実体験の流れを書かせていただきます。

 

  • 養成所の試験を受ける前に、とりあえず何個かオーディションを受けてみようと思い立つ
  • ネットで声優のオーディションを検索
  • 謎に文言強めの、見るからに怪しいHPが出てくる
  • とりあえず応募
  • 書類審査合格
  • 都内で1次オーディション
  • 実際は10人くらい集められてのグループオーディション
  • グループオーディション突破(特に声優関連の審査なし
  • 2次オーディションは一対一で面接からの実技審査
  • ボロクソに言われる
  • 「所属は無理だけど別ルートがある」と言われる(怪しくなってまいりました)
  • その詳細は今は言えないが、今ここでやると言うなら教える、と言われる(この時点で大体の手口は予想できてました)
  • 怪しすぎたので普通に断って帰る
  • 後でネットで調べてみると、その手口と被害者の声が出るわ出るわ
  • 詐欺認定

 

こんな感じですね。

実際は、詐欺でお金取られたわけではないんですが、私と似たような感じの被害者情報がその当時結構出てきていたので、詐欺と自分の中で認定しました。←

では、ここからは怪しいオーディションにはどんなポイントが有るのか、見分け方などについて解説していきます。

 

オーディション募集の段階

この段階で見抜ければ、詐欺られる確率はかなり低くなります。

ポイントは3つ

 

  • 知名度のある事務所のオーディションかどうか
  • サイトの文言に怪しさ、変な煽りはないか
  • 募集サイトはSSL証明が発行されているか

以上3点です。

 

知名度のある事務所のオーディションかどうか

これが一番わかりやすいですかね。

ある程度の有名声優を抱えている事務所のオーディションは、一定の信頼感があります。

なぜなら、もし変な詐欺まがいのことをすれば、事務所の看板に傷がつくからです。

それがSNSネット上でもし炎上しようものなら、既に所属している声優さんの仕事にも悪影響が出ますし、その声優の稼ぎで事務所を運営している事務所側からすれば、存続問題に関わります。

 

反対に

  • 全然所属している声優がいない
  • 声優の出演歴がほぼない
  • HPの新着情報の更新が途絶えている。

こんな感じの事務所のオーディションは果てしなく怪しいです。

大体こういう事務所は声優側のマネジメントができていなく、収益は詐欺まがいのオーディションで集めたレッスン生からのレッスン料で運営しています。

「所属させあげる」「アニメに出させてあげる」という甘い言葉で若者から搾取する、悪徳業者ですね。

 

 

更に怪しいのは、謎の単発オーディションです。

「オーディション合格者には、あの有名事務所に所属するチャンスが!!」



的な煽り文句で、具体的にどこの事務所の関係、系列なのかわからないオーディションは、確実に怪しいです。

基本的にオーディションの開催元がはっきりしているか、確認してください。

 

サイトの文言に怪しさ、変な煽りはないか

詐欺オーディションのHPは大体、謎の怪しさがあります。

  • HP上に、無駄な空白が多い
  • 「このチャンスを掴み取れ!」的な、うざったい広告のような煽り
  • 知らない声優の、知らない作品の出演歴をひけらかす

こんな感じですね。

基本的に怪しいオーディションは、実績信頼性がないので、怪しい広告のような感じで煽ってきます。

大手声優事務所の、定期的に開催されるオーディションと比較すると、違いがわかるでしょう。

 

募集サイトはSSL証明が発行されているか

少し専門的な話になるのですが、HPのセキュリティ面がちゃんとしているかどうかで見極めることもできます。

例えば下記の画像をご覧ください。

これは私のスマホからyahooさんのサイトを開いたものなのですが、上のアドレスが書いてある欄の左側に『ロックされた南京錠のマーク』がついているの見えますでしょうか。

簡単に言うと、このマークが付いているサイトはSSL証明が発行されていて、セキュリティ面をしっかり対策しているホームページ、ということになります。

なので、安全性が高いということです。

怪しいサイトはこのSSL証明をしていません。

 

基本的に今のWEB業界はHPにSSL証明をつけることは常識なので、これを怠っているということは、サイト作成者や管理者がいない、または無知ということがわかります。(私のこの小規模ブログサイトですらSSL証明付けているのに・・・)

つまり人さえ集められればそれでいい、ということ。

 

上の画像は、SSL証明が発行されているサイトと、されていないサイトのアドレス部分の比較になります。

スマホですと、ページを開いた際にちゃんと「安全ではありません」と出てくるので、見分けるのは簡単ですね。

 

こういうHPの作り込み具合からでも、怪しそうなオーディションは見分けることができるので、ぜひ覚えておいてください。

 

実際のオーディションの様子

では次に、実際のオーディションの様子はどうだったのか。

基本的に怪しいオーディションは、書類審査は全通しします。

 

そして最初の面接では、声優のオーディションなのに演技関連のことは何も審査しません。

そして次の面接からエンジンを入れてきます。

  • 「君は何千人から選ばれてここにいる」みたいな感じで肯定するフェーズ
  • 演技を見て基本的にボロカス言って落ち込ませる
  • 救いの手を差し伸べて、カモへと導く

流れはこんな感じですね。

 

基本、まだ入所が決まっていない人間にその場で演技指導が入ることは、まずありません。

ダメならダメで、当たり障りのないこと、その場では評価せず面接は終わるのが普通です。
就職の面接でも、その場で息巻いてくる面接官のいる会社はブラックです。

そして一度落とした後、救いの手を差し伸べるのが定石パターンですね。

 

「でも、君には声優になれる才能は感じた。だから特別に他とは違うルートで声優になれる方法を教えてあげるよ」

 

こんな怪しそうなフレーズ本当に言うかい!!と思われるかもしれませんが、実際あるんですよ!本当に!(笑)

しかもこんだけ怪しかったら騙されないと思いますよね?でも実際あの面接の現場にいたら、ところがどっこい、騙されちゃうんです

夢をちらつかせると、若い人は騙されやすいことを大人は知っています。

汚い大人やで・・・」(名言)

 

とまあ私はここで、「あ、じゃあ良いっす。他のちゃんとした事務所の養成所受けに行くんで。ありがとうございました。」と言って後にしました。

この対応ができたのは、事前にその事務所の会社や情報をネット上で集めて、なんか怪しいオーディションだと知っていたからです。

多分私が純情ボーイだったら余裕で騙されていた自信があります。それくらい彼らは狡猾です。

 

最終的に、どういう手口でお金を取られるのか

では最後に、どうやってお金を取られるのか解説します。

これまで書いてきた内容は、オーディションとしては確かに怪しいは怪しいんですが、別に詐欺られてはいませんよね?

逆に「私のことをこんなに真剣に考えてくれて、すごい良い人!いい事務所!」とも思えなくはないです。

私がそれを信じて最後までいっていたら、どうやってお金を取られたんでしょうか。

それは・・・

 

自 費 出 版

 

これです。

怪しい事務所がやる常套手段の一つなのですが、大体この自費出版を提案されます。

先程の私のパターンを例にしてみると

  • 今回のオーディションでは所属になれないけど、君になら特別に、別ルートを教えてあげる
  • 今ここで必ずやるというのならその方法と、準所属という形で受け入れてあげるよ?
  • 「わかりました。おねがいします!」と言った場合
  • わかった。その方法は自費出版といって、他社に頼らず、自分の費用で世の中に作品を出すことで、ある意味デビューしたプロの声優になれるというもの
  • 声優だったら「ラジオドラマCD」とか「歌」とかだね
  • それを実績としてプロフィールに書くことができる
  • 普通の声優だったら、「養成所→事務所所属→声優デビュー」と辿るところ、この方法だったら「今→即デビュー」ができる
  • しかもうちの事務所はそういう制作関係もやってるから、うちから出せるよ
  • って言うわけで、これが契約書だからサインお願いね
  • あと毎月のレッスンもあるからこれがレッスン費用の紙ね
  • エンド

 

こういう感じですね。

自費出版自体悪いものではないんですが、これを事務所にやらせると、だいたいとんでもないことになります。

というか、まともな事務所はこういうことしてないです。

 

数十万で数百枚のCDが完成し、最初は「うちの事務所でも押していくから」と言うものの、実際は作っただけで終わりです。

事務所は何もしません。あとはレッスン料で貪り尽くします。

 

ちなみに成人していて、その場で契約書にサイン、判子まで押しちゃうと契約上成立になってしまうので積みです。

当時ネット上に被害者の方の書き込みがあったのですが、その子のが書いていて、その事務所と揉めていてこんな被害を受けましたと書いていました。

今は多分ドメイン切れか、消されていて見えませんが・・・。

 

とまあ、実際の手口としてはこんな感じですね。

これを詐欺と捉えるかどうなのかは、読んだ皆さんの感性次第、だとは思いますが、少なくとも私は「やってんな」と感じました。

一見詐欺に思えるかもしれませんが、契約上同意してサインしていますし、事務所側がちゃんとやっていますよ、と言われれば立証は難しいと思います。

皆さんもお気をつけください。

 

終わりに

というわけで、私が遭遇した声優オーディション詐欺まがいのお話でした。

いかがでしたでしょうか。

 

何を詐欺と捉えるか、というのはその人の主観次第なのでなんとも言えませんが、少なくないお金を払うからには是非とも、納得のいくことに使ってほしいと思います。

芸能関係のオーディションにはこうした、夢見る若者を狙った詐欺が未だに横行しているので、しっかりと情報を収集した上で選択してください。

 

 

こんな感じでこのブログでは

【声優を目指す全ての人】

へ向けて情報を発信しています。
是非他の記事も見ていただけると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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